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肥料を与えることは、作物をより美味しく、何度も収穫し続けるためでもあります。
現在では様々な複合肥料が販売されていますが、長期間使用するには決して安い金額ではありません。一定の養分が不足した際は、単肥を使用することで採算性を高めることが可能です。植物が育つためには多くの種類の栄養分が必要ですが、とくに窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)は「肥料の3要素」と呼ばれ、植物の生育に最も多く必要とされています。
窒素は、生育初期から後期まで全盛期必要な要素となっています。
生育初期のまだ葉が茂っていない時期に窒素を与えると、葉の総面積が大きくなり生育が促進されます。吸収された窒素は葉の他にも、茎の生育を促進し、葉の色を濃くします。
このように生育初期では主に葉に配分されますが、生育するに従って茎へ、花が咲くと花へ、果実が形成されると果実へと生育ステージによって窒素の配分先が変わってきます。
また、光合成に必要な葉緑素も窒素化合物となっていることから、植物の生育には欠かせない成分と言えます。窒素はすぐに消費されてしまうので、高い頻度で補充する必要があります。
リンは、花や実をつけるために必要な要素です。生育初期に多量に吸収することにより、根の伸長を良くし、発芽や分けつを促進します。また、リンはphが高くなると水素を放出し、低くなると水素を獲得して中性になるように調整する役割も持っています。
他にも、リンはエネルギーの受け渡しを行う科学物質としても使われています。植物は光合成により糖分を作りますが、これにはエネルギーが必要になってきます。このエネルギー代謝に、リンは役に立ちます。
カリウムは、根や茎を丈夫に育てるために必要な要素です。植物が呼吸をするために必要な気孔の開け閉めに重要な役割を持っており、気孔の周りでカリウムの濃度が高くなると気孔は開き、低くなると閉じます。
また、光合成に欠かせない葉緑体の高いphを維持するのにも、カリウムは役立ちます。
さらに、細胞の水分調整を行う役割も持っています。カリウムは窒素やリンとは違って、生育後期まで吸収されるため、植物の水分利用や炭水化物合成に果たす役割がとても大きいです。
家庭で行われる水耕栽培では、ほとんどの場合に化学肥料が使われており、この化学肥料にも窒素・リン・カリウムの3要素は欠かせない成分です。有機肥料に比べ、植物の成長速度が速いのが特徴です。
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